千舞祭2020 開催!

千舞祭開催!

千翠流舞踊会と千翠流舞ショーを7月18日(土)無事開催しました。

2020年はおそらく世界中の人々の決して忘れることのできない年になることでしょう。

2020年は東京でオリンピックが開催される、日本にとって記念すべき年になるはずでした。

今年の初め、誰がこんなに世界中が感染症で苦しむことになると想像したでしょうか。オリンピックが延期になるなんて、誰が想像できたでしょうか。

仕事や学校が止まってしまう中、本当に開催できるのか確信が持てないまま創作したり、稽古を続けることは、とても大変なことでした。

特に千翠流舞ショーは、イベントのための新しいショーや、新しい技術の体得などを目指してお披露目する目的もあります。

そのためには広い場所を借りて確認したいこともあり、そういった稽古が思うようにできず、不安が付きまとうこととなりました。

そんな中、主催者である私(千翠珠煌)は、何とか不安を払拭し今できることを粛々とやっていこうと皆を導くよう心掛けました。

高校の部活で教えている生徒達には、リモートで教えるしか方法が無く、直接指導できたのは本番前2週間ほど。計3回の稽古とリハーサルのみでした。

そんなこんなの中、本番10日前私が右足をねんざ。無理やりやろうとしているから罰が当たった?などと弱気になりましたが、若い弟子たちが愚痴も言わずに私抜きの新しい振りをあっという間に覚えてくれて、何とか頑張ろうと思うことがことができました。

そんな未知の経験ばかりで大変だった千舞祭の様子を振り返ってみたいと思います。

若手中心の舞踊会

日舞の会と言えば、年配者が多い印象かも知れませんが、30代の若手ママも50代、70代の方もお休みで、千翠流は小学生から20代までの若手が中心。そのため、キッズソングから三味線曲、和楽器の現代曲などちょっと違う雰囲気になり、身内でなくても観るのは結構楽しいと思います。(実際身内でなく純粋に楽しみに来てくださる方もいらして、千翠流舞の密かな自慢です)

千翠流では三味線曲は端唄、小唄のほか、長唄新曲など。

千翠将暉が踊りました、「竹にうたう」「新藤娘」は日舞の基本がきっちり入っています。

新藤娘は古典の藤娘に対して新しく作られた曲なので、古典とは違う味付けの方が新しさは出るのですが、古典を踊らない千翠流では古典に近い位置付けで、名取披露などにも使えるよう、藤枝を持ち、手ぬぐいを使った口説きも入れています。

同じ理由で端唄、小唄などにもきっちり古典と同様の基本を入れて教えています。

小学生、中学生の弟子たちは稽古不足ながら、ほたるこい、槍奴、舞妓など頑張って披露しました。

緊張するのは仕方ないのかな、、もっと子供らしく、元気よく踊ってほしかったとは思います。まあ、稽古不足を本人たちも感じているのでその状態ではなかなか思いっきりは踊れないと思いますが。

一方、「南の島の子供たち」は、おかあさんといっしょで歌われた曲ですが、やはり子供にはのりやすいのか、ニコニコ踊ってくれてよかったと思います。

私は新作として、「おてもやん」と「春雷」を踊る予定でした。

おてもやんは江利チエミが歌う、マンボ?のリズムにのっていて、社交ダンスにあるステップなどを取り入れています。

春雷は箏座という和楽器グループの曲で、石井竜也(元米米クラブ)が作曲しています。初演は20年ほど前で、その時は洋舞の振り付けで扇を持って踊りましたが、今回日舞に振付し直しています。

今回披露できませんでしたが、YouTubeでは披露していますので、是非ご覧ください。

若手だけで頑張った千翠流舞ショー

今回のショーは私が踊れなくなったため、1週間前に3人用の振りを2人用に変えました。

特にオープニングの「祭」では、傘を持って目まぐるしく移動するので、全く違う振りを挿入しなければなりませんでした。

 

時間も無かったので、2人に実際に動いてもらいながら、あーでもないこーでもない、やっぱりこっちに動いて、などと注文してしまいましたが、すぐに変更を覚えてくれてちょっと見直しました。”こんなに動けるようになってたんだ”

創作の過程を見せることができたことも、彼等には良い経験になったのではないかと思います。

2曲目の「青い河へ」は姫神の曲で、最上川舟歌をモチーフにした女性の声だけでできている曲です。

千翠将暉は、この曲で恐らく初めて創作らしい創作の曲を踊りました。

民謡のこぶしを意識したり、声のイメージ、声の終わったその先を意識して動きが無くても気持ちがその先まで続くよう、技術よりは表現を優先させてと教え、彼は良く答えてくれました。

3曲目「千代の寿」は東京表現高等学院MIICAの部活の生徒たちが頑張りました。

春の芸術祭やキッズフェスへの出演などことごとく中止になり、初舞台の子がほとんど。

舞台に対する心構えから教えなくてはならず、厳しいことも言ってしまいましたが、良く受け止めて、最後にはきっちり仕上げて見せてくれました。学校では1年生にしか日舞の授業が無いので、せっかく部活に入ってくれた子たちには、何とか形になるよう教えていきたいと思っています。

4曲目は「猫の子」郡上踊りの中の一曲です。郡上八幡に伝わる踊りは、何曲もあり(確か10曲以上はあったかと)どれも素晴らしく、私がわざわざ振付することもないのですが、伊藤多喜雄さんが個性的な曲にアレンジして歌っていらして、この曲なら踊れるかも、と振付しました。もう25年くらい前でしょうか。私も何回踊ったかわかりませんが、千翠梓渚も中学生の時から踊っているので彼女も結構踊っています。

テンポのいい曲なので、振りもテンポよく、沢山の振りが入っていて、きっちり踊って見せるのは難しいと思いますが、梓渚も自分なりに工夫して表現できたので良かったと思います。

5曲目は「神田祭」これは今は解散してしまったTHE家元の作品。村治崇光さん(長唄の杵屋勝四郎氏)達が若いころバンドを作って披露された曲のひとつで、その当時から「御祈祷三番」と共に私の最強レパートリーです。

リハーサルでは私と踊った

↑リハーサルでは私と踊っています

将暉と私で踊る予定を急遽梓渚に振りを移し、踊ってもらいました。おかげで若い二人の青春舞踊?みたいになって、これはこれでなかなか見られない面白いものができたのでは、と内心ほくそ笑んだ次第です。

最後は「さくら音頭」ショーの出演者の総踊りです。ただ、音頭とはいえ日舞なので、盆踊りの様にはせず、歌詞によって振りを変えたりしていて華やかになったのではないかと思います。総踊りを見ると、本当に若い人しかいなくて、しかも私がいなくても不足感も無く、出なくてよかったのかもとさえ思いました。

きっちり彼等だけで見せられる演出ができたことは、私にとっても誇りとしたいと思っています。

幸せなことですね、本当に。

また来年頑張ろう、と思えたことだけでも今年開催できてよかったと思います。

少なかったお客様ですが、それを思わせないほど大きな拍手をいただき、心から感謝しています。

来年からもっとパワーアップして、また実験的コラボなど様々なチャレンジも、若い子たちと一緒にやっていきたいと思っています。

千舞祭の様子は、動画が届き編集ができましたら、またアップしたいと思います。

改めまして、いつも応援いただきありがとうございます。

少しでも良いものをお見せできますよう、これからも精進してまいります。

これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

千翠流舞一同、千翠流舞代表 千翠珠煌

💮千翠珠煌主催の日本舞踊教室では、無料体験レッスンを 千翠流舞ではワークショップを開催しています。

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